*参考図書
「専門医がやさしく教える活性酸素」近藤和雄(PHP研究所)
「抗酸化食品が体を守る」板倉弘重(KAWADE夢新書)
ひとは酸素で生きている
「この酸素の出汁が絶品だねぇ。たまんないよぉ」なんて、酸素を吸うたびに感激するような味でもすれば、もっと酸素のありがたみがわかるってもんでしょうが、単に“ひとは酸素で生きている”といわれてもピンっとこない方がほとんどですよね。
でも、吸わなきゃせっかく吸収したエネルギーが体全体に行き渡らずに無駄骨と聞けば、そりゃ大切だと思いなおすはず。
逆に、酸素が実は老化や病気の原因になってる、なんて聞いちゃうと、さっきの“酸素で生きてる”とは真逆のド迫力インパクトを感じる方が多いんではないでしょうか?
でも、これ事実です。絶対、次の試験にでますっていうくらい記憶すべきマストな情報です。
でもみなさん、きっとこう思いますよねぇ。「生きるために吸ってんのに、なんで病気になんの!」 まったく、ごもっともな意見です。
でも、“にんげんだもの”。生きとし生けるものは、必ず死ぬ。これはいつの世にも通じる、曲げることのできない真理なのです。
酸素は、味方にも敵にもなるのです。
過剰に発生する活性酸素
酸素がそんな悪者だったなんて……。
ショッキングな事実に一気に白髪になってしまったあなた! でも、本来なら酸素は体内で<活性酸素>という物質に変わって、これが体を酸化させて悪さをするんですが、ひとの体だってそんなヤワにはできてません。
「余分な活性酸素はチョチョイのチョイで消しちゃうよシステム」が体内で働くので、それなりのいいバランスに調整されるようになってるんです。それが崩れて、過剰に活性酸素が発生する。そんな環境が、いまの世の中にはあるんです。
日本古来の“和”の食事は、食品添加物満載の加工食品やファーストフードに変わり、菌や微生物は化学物質でガシガシ殺されて過剰な香りに変わり、義理人情が薄れた世の中にはひとの心に過剰なストレスを生み出しました。
これらすべてが、過剰なる活性酸素の闇を、体内に生み出しているのです。
打倒!活性酸素
「昔の若者はこんなにヤワじゃなかった」とおっしゃる会社の上司や近所のおじいちゃんの言葉は胸にしみますが、かように世界が変化していくと、ひとの体も変化に追い付けずに、次から次に現れる敵に、プシュプシュッとやたら活性酸素を吹きかけることになって、逆に体が悲鳴をあげるという、そんな状況になっているわけです。
ではこの悪循環をどう断ち切るか? それはひと言でいうと、“自然に還れ”ということですね。
まぁ、“打倒!”と書いておいてなんですけど、戦う必要ナシです。バイバイする、これだけですね。
できる限り天然のものをバランスよく食べて、ほどよく運動して、十分睡眠をとる。
え、それだけ?って思ったあなた! 例えば、身の回りの化学物質を見つけ出して、ポイっと捨ててみてください。
殺虫剤・防虫剤、タバコ、化粧品、洗剤・柔軟剤、スナック菓子などなど……。
どうですか? 戦うとすれば、自らの欲望とかもしれませんね。まずは少しずつ、減らす努力から!
*補足:身近なものに含まれる化学物質について
<殺虫剤>は、有機リン系・ピレスロイド系・カーバメート系の3タイプがあり、吐き気、めまい、手足のしびれなど、人体への影響がみられます。<防虫剤>には、ナフタレン・パラジクロロベンゼンなどが含まれ、殺虫剤とともに、シックハウス症候群の原因ともなっています。
<タバコ>の煙には、ニコチン、タール、ヒ素など発がん物質も含め、4000種もの化学物質が含まれています。
<化粧品>は、化学物質を使わずに作ることはできません。すべての化学物質が危険というわけではありませんが、石油系合成界面活性剤、環境ホルモンの疑いがある物質、発がん性の疑いがある物質、パラベン、タール系色素には注意が必要です。
*参考:無添加化粧品生活 http://www.mutenka-seikatsu.com/
<洗剤>に含まれる蛍光増白剤は、衣類を白くするのではなく、白く染める化学物質で、毒性も強く、発がん性も疑われています。<柔軟剤>に含まれる合成界面活性剤やその他の化学物質により、中枢神経に影響を与えたり、発がん性が疑われる物質も含まれています。
<スナック菓子>には甘味料・着色料・酸化防止剤など、見た目をよくしたり、日持ちさせるために化学物質を使い、その多くが、発がん性が疑われるものが多いといわれています。スナック菓子だけでなく、ハムやウインナー、清涼飲料水、ガム、アイスクリームなど、食品全般に食品添加物は使用されているので、よく表示を確認して、食べないという選択も必要です。