具体的にはよくわからないけれど、時おり耳に入ってくるのは、“カラダに良くない”というなんとなくマイナスな言葉ばかり。
どんな症状がカラダにあらわれるかというと、“手荒れがひどい”とか“かゆみや湿疹がでる”といった、
ある意味、想像の域をでないもので、“あぁ、そんなもんなんだぁ”なんて、軽くスル―されちゃうような、
そんな存在にしか思われてないのが、「界面活性剤」のリアルなところではないでしょうか。
もちろん、ググってみれば、界面活性剤によって自然やわたしたちの体に対して被害が報告されてることもあるけれど、
逆に、これがなきゃ一日始まらないっていうくらい便利な存在でもあったりする。
そんな謎を秘めた「界面活性剤」のことを、ちょっと調べてみました。
まずは石鹸・洗剤を知ることから!
界面活性剤について知るうえで、やはり石鹸・洗剤とは何かについて触れない訳にはいきません。
それはなぜかといえば、どちらも「界面活性剤」を主成分として作られているからです。
簡単にいうと、界面活性剤が衣類などに深く浸透し、汚れを浮かせ、洗い流すといった一連の流れによって、
汚れた衣類がキレイになるというわけです。
石鹸も洗剤も同じ界面活性剤なのですが、「家庭用品品質表示法」という法律の規定によれば、
人が作った界面活性剤を「石鹸」と「石鹸ではないもの」の2つに分けています。
そして、「石鹸ではないもの」のことを「合成界面活性剤」と呼んでいるのです。
一般にスーパーなどで売られている洗剤は、
そのほとんどが合成界面活性剤が配合されているため、「合成洗剤」と呼ばれています。
では、石鹸は「天然の界面活性剤」なのか、というとそうではありません。
石鹸は油脂とアルカリを原料として、人の手で作られているからです。
しかし、製造方法が簡単で、酸に触れたり、薄まるとすぐに界面活性を失ってしまうという特長があり、
いわゆる合成界面活性剤のような、強力な作用はないため、「石鹸」は区別されているのです。
確かに石鹸は人が油脂とアルカリとを混ぜ、加熱して化学変化を起こした結果できあがるということから、化学物質には間違いありません。
しかし、“世界最古の化学製品”といわれる石鹸は、人類が長い年月を経て培ってきた知識と経験から、
安全性が十分に確認された、数少ない化学物質といえるのです。
合成洗剤とは?
上で触れたように、要は世の中の洗剤は、そのほとんどが合成界面活性剤を使った合成洗剤であるということなのです。
では合成洗剤は何からできているかというと、「合成界面活性剤」のほかに、
「ビルダー」(助剤)と「添加剤」と呼ばれるものから作られている場合がほとんどです。
「ビルダー」(助剤)とは、それ自身は界面活性作用はもちませんが、洗剤に配合すると、
洗浄力がアップする「アルカリ剤」や「ミセル増強剤」
(ミセル=界面活性剤の集合体のことで、中心部は油となじみやすい疎水性、
外側は水となじみやすい親水性をもつのが特長)、
洗濯に悪影響を及ぼす重金属の働きを止める「金属封鎖剤(キレート)剤」などがあります。
また「添加剤」とは、洗剤の性能を向上させたり、製品の付加価値を高めるために配合されるもので、
「蛍光剤」「再汚染防止剤」「漂白剤」「香料」「酵素」などがあります。
界面って何?
では、そもそも「界面活性剤」とはどんなものなのでしょうか?
「活性」とは、簡単にいうと“イキイキ動き出しちゃう”ってことですね。
では「界面」とは何か? なんか字を見た瞬間、(私だけかもしれませんが)
人間界と魔界のなんか、あいだの壁みたいな、そんなものをイメージさせるんですが、
これが意外に正解に近いようなんです。簡単にいえば、「境界」のこと。
日本界面活性剤工業会のウェブサイトによれば、
界面とは「異なった性質を持つ2つの物質の間に存在する境界面」のこと。
この世に存在する物質はすべて、固体・液体・気体の3つに区別できます。
これらが隣り合って存在した時、必ず境界=界面が存在することになるのです。
界面のパターンとしては、固体vs固体、固体vs液体、液体vs液体、液体vs気体の5つがあります。
どんな作用があるの?
「界面」と「活性」についてなんとなくわかったところで、じゃあ、この2つが合わさった時、
つまり「剤」になった時、どんな作用があるのでしょうか?
大きくわけて(1)乳化・分散 (2)湿潤・浸透 (3)起泡・消泡 (4)洗浄の4つの作用があります。
(1)水と油はまぜてもすぐ分離してしまいますが、界面活性剤を入れると、混ざり合います。
またススなどは水に浮かんだまま混ざることはありませんが、
界面活性剤を加えると、均一で安定した形の水溶液を作ることが可能になります。
(2)葉っぱの上に水を垂らしても水玉になるだけですが、界面活性剤を溶かした水は、表面に広がります。
(3)界面活性剤の種類によって、泡立ちをよくしたり、泡立ちにくくすることもできます。
(4)油や汗など、布にしみこむとなかなか落ちない汚れには、界面活性剤を使った洗剤なら、
表面をぬらし、布と汚れの間まで浸透して汚れをはがし、乳化、分散させて汚れを落とします。
と、このような作用がありますが、これらは代表的なもので、界面活性剤は種類が多く、性質も異なるため、
さまざまな作用を起こすことが可能です。
何に使われてるの?
界面活性剤が使用されている商品として「洗剤」は特に知られた存在ですが、
その他にもいろいろな分野で使われています。
食品では、マーガリン、バター、マヨネーズ、アイスクリームなど、
水と油を混ぜて乳化させるという作用が使われています。
化粧品では、乳液やクリーム(乳化)、化粧水(香料や油、薬品を溶かし込む)、
ファンデーション(粉末を均一に分散させる)に使われています。
その他、医薬品、繊維工業、製糸工業、土木、建築などなど・・・・・・・。
合成洗剤の歴史1~ハードからソフトへ
ここまで、石鹸、洗剤、界面活性剤について解説してきました。
では、ここから核心に入っていきますが、世の中に流布する“界面活性剤って環境に良くないよね”、とか、
“カラダに悪いよね”っていう話、聞いたことありますよね。では、ほんとのところはどうなのか?
それを知るには、合成洗剤の歴史を知ることがカギとなります。
まずキーワードとしてあげたいのが、「ハードからソフトへ」。
洗濯が終わった後の排水は、川、湖、海へと流れていきます。もちろん、排水の中に界面活性剤も含まれています。
界面活性剤は、開発当初はハード型と呼ばれ、水の中を流れていく中で、
自然の力ではなかなか分解されにくい性質のものでしたが、
そこから、ソフト型(自然の力で分解されて害がなくなりやすい性質のもの)へと、進化の歴史をたどることになります。
1933年(昭和8年)に、ドイツのI.G.社によって合成界面活性剤「アルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS)」が開発されました。
これは食用油脂を使用せず、石炭や石油から作られることから、合成洗剤の第1号となりました。
日本では、1959年(昭和34年)頃から、ABSが合成洗剤のほとんどに使用されるようになり、
1950年代半ばには、電気洗濯機の普及にともなって、合成洗剤が急速に普及。
そして、1963年(昭和38年)には、合成洗剤の生産量が、ついに石鹸の生産量を上回りました。
しかし、ABSは生分解が困難=自然界で分解しにくい物質(ハード型)だったため、これが大量に河川に流れ込み、
1961年(昭和36年)頃から、分解されずに残った泡が、河川のいたるところでみられるようになり、
この汚染が大きな社会問題となりました。
その結果、生分解しやすい物質=自然界で分解しやすい物資(ソフト型)を使った洗剤の開発がメーカーで進められ、
1971年(昭和46年)には、日本国内における洗剤のソフト化率が97%に達しました。
現在、日本では洗剤にABSは使用されていません。
合成洗剤の歴史2~無リン洗剤の登場
一昔前には、洗剤のTV CMで「無リン」という言葉がはやりました。
まぁ、1980年代頃の話ですが・・・。
リンとはリン酸塩のことで、トリポリリン酸塩やピロリン酸塩などが洗剤に使用されていました。
このリンは、洗浄成分のパワーを高める意味で「助剤」として配合されていましたが、
このリンが河川・湖沼・海に大量に溶け出すことで栄養が豊富になりすぎて(=富栄養化)プランクトンが異常に増え、
赤潮の原因ともなりました。
1969年(昭和44年) 琵琶湖で赤潮が発生
1972年(昭和47年) 瀬戸内海で赤潮が大発生し社会問題化
1980年(昭和55年) 琵琶湖富栄養化防止条例施行
1982年(昭和57年) 霞ヶ浦富栄養化防止条例施行
これらにより、リンを配合した洗剤の販売・使用が禁止され、
洗剤メーカーは、リンを配合しない「無リン洗剤」の開発にまい進しました。
1973年(昭和48年)には第1号無リン洗剤が発売されましたが普及せず、
1980年(昭和55年)になってゼオライト(水の硬度を下げて洗浄力の低下を防ぐ=水軟化剤)を配合した
無リン洗剤が発売されるにあたって、ようやく普及。
現在、日本では家庭用洗剤はほぼ100%無リン化されています。
と、ここまで駆け足で合成界面活性剤を含んだ合成洗剤の歴史をみてきました。
先人たちは、長い間、石鹸だけをたよりに洗い物をしてきた歴史をもっていました。
そこへ突然、洗剤の時代が到来。
しかし、汚れを落とすという機能を満たすためのやみくもな開発によって、自然環境が汚染されていきました。
その後、配合成分が見直され、水まわりの汚染は表立ってはなくなりました。
このような合成界面活性剤の進化ののち、酵素の配合、除菌・抗菌、そして香りの時代へと
さらに洗剤は進化を続けているのです。
界面活性剤は安全か?
手荒れがひどいとか、アトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルをかかえているという方以外に、
純粋に「石鹸」だけを日常生活で使用されているという方は、
現実にはほとんどいないのではないでしょうか。
では、この界面活性剤、100%安全なのでしょうか?
答えはNoです。
洗剤や石鹸を例に挙げれば、界面活性剤自体が化学的に合成されたものであり、
また先にあげたように洗浄力をアップするための助剤や添加剤も配合されています。
つまり、手やカラダを洗う場合、汚れを落とすために配合された界面活性剤の作用によって、
皮膚をあらゆる雑菌から守っているバリアがはがされ、無防備となった皮膚に洗浄成分が直接触れることになります。
これによって皮膚が化学物質に犯され、手荒れや皮膚炎を引き起こすのです。
また、洗濯物を洗う場合は、強力な洗浄力で汚れを落とすまでは良いのですが、
「蛍光剤」「再汚染防止剤」「漂白剤」「香料」といった添加剤によって繊維の奥深くまで化学物質が浸透し、
洗濯物を干した状態や服を着用した時に、カラダに吸いこんだり、皮膚に触れることでかゆみや頭痛、
ひどい場合は化学物質過敏症を引き起こすことにつながるのです。
実際に、合成洗剤による湿疹やかゆみに悩まされてきたお客様は多くいらっしゃり、
抗酸化溶液活用商品のひとつである粉石鹸「えみなシリーズ」をご使用になって
それらが解消されたというお客様がいらっしゃいます。
「えみなで洗うとカラダがかゆくない」 新潟市のTT様
「主婦湿疹を克服して、料理する楽しさを知りました」 大阪府の矢野様
確かに洗剤の機能性は高まり、洗浄能力が大幅にアップ、除菌・抗菌、さらには、いい香りまでつけちゃう。
いいことずくめに思える洗剤ですが、先にも触れたように、私たち人間がこれまで触れたことのない、
未体験の化学物資がどんどん配合されています。
私たちは便利な世界に生まれ過ごしながら、人知れず、さまざまな化学物質に触れ続けているのです。
自分を、家族を守るために
界面活性剤は、現実社会ではなくてはならない物質です。
しかし、その使用法や使用量をあやまればただちに私たちの体を蝕み、自然を破壊するということは間違いありません。
近年、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患や花粉症を発症する人が爆発的に増えていますが、
過去にはその数は少なく、その病例さえもほとんど知られていませんでした。
しかし、一部の人たちがかかる疾患であったものが、いまこうして多くの人々のカラダを蝕んでいるのです。
では、界面活性剤による健康被害はどうでしょうか?
単なる手荒れやかゆみといったレベルの疾患を発症している方が全国にどれだけいるでしょうか?
これがのちのちアトピーや花粉症のような国民病にならないという保証は、どこにもないのです。
一生、カラダに触れ続けても発症しない方もいれば、触れただけですぐに発症する方もいるでしょう。
誰がいつ発症するか、それこそ神のみぞ知るということになるでしょう。
しかし、使用しないまでも出来うる限り使用しないという選択は、可能なのです。
どちらを選択するか。それは、あなた自身の判断でおこなうしかないのです。
「えみなシリーズ」は安全・安心な洗剤です。
まずはえみなシリーズの成分をみてみましょう。
○emina 99:純石鹸分99%
○えみなpremium:純石鹸分60%+アルカリ剤 *植物性バージンオイル使用
○えみな-Water-:純石鹸分25% *天然パーム核油使用
そもそも石鹸は、動植物の油(油脂=脂肪酸)をアルカリ(水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム)で煮て作ります。
水酸化ナトリウムなら固形石鹸(脂肪酸ナトリウム)、水酸化カリウム(脂肪酸カリウム)なら液体石鹸ができあがります。
「emina 99」は一切助剤を含まず、純石鹸分が94%以上の「純石鹸」となります。
「えみなpremium」には助剤としてアルカリ剤(炭酸塩)を使用しています。
これは汚れ落ちの性能が落ちないようにアルカリ性を保つためと、
洗剤が石鹸カスにならないためという2つの役割を担っています。
通常の使用では人体に影響はないことがわかっています。
「えみな-water-」は、粉石鹸は使いづらい、液体洗剤がほしいというお客様の声から生まれました。
商品によって純石鹸成分は異なりますが、いずれも「抗酸化溶液」を配合していますので、
手荒れやアトピーなどの肌トラブルに悩む方でも安心してお使いいただける洗剤となっています。
また、排水として河川等に流れた場合でも、水の中の菌や微生物などのバランスを整え、水を汚染することはありません。
体にも自然にも、安心・安全にお使いいただけます。