笑顔

知り合いの農家のAさんが

1月末に脳出血で倒れ、入院したと知ったのは

1週間ほど前のことでした。

年齢はたしか40代半ばから後半で

私とさほど変わりません。

倒れてから意識が戻るまで3週間眠り続けたと知り

意識が戻っても相当の後遺症が残るのではと心配していました。

 

今日の夕方、病院へ見舞いに出かけました。

ナースセンターで病室を確認し

部屋に顔を出すと、ベッドにAさんが寝ていました。

付添は誰もいませんでした。

心をよぎったのは、話ができない状態だとしたら

どうしたらよいだろうかという心配でした。

 

意を決して病室へ入り、こんにちはと声をかけると

意外にも返事が返ってきました。

話づらい感じが少しありますが

会話は普通にできたのです。

 

3週間という長い時間から目覚めたことを考えると

Aさんの話ぶりは驚きでした。

 

ほどなくして奥様とお嬢さんがいらっしゃいました。

「こんにちは、白井でお米屋をしています、さんらいすの近藤です」というと

「娘です」とお嬢さんがペコリと頭をさげました。

 

笑顔にあふれた表情と、明るく快活さを思わせる声を聞いて

ああ、いい家族だなぁと思いました。

 

病室には暗い色や冷たい風はありませんでした。

とてもあかるい病室でした。

 

見舞いに行ったのに

逆にチカラをもらった気がしました。

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